FileMakeといえば、Macユーザーではおなじみのカード型データベースソフトです。
一時期は、TVコマーシャルもありましたが、最近ではすっかり見かけなくなりました。
友人にFileMakeを扱っていると話しても、「うわ~、懐かしい名前だね。」と
いわれる始末です。
忘れ去られたかのような存在のFileMakeですが、Ⅱ、Ver.3、Ver.5、Ver.7と
バージョンアップし、現在は、Ver.11になり、Windowsにも対応しています。
データベースソフトというと、まず思い浮かべるのがMicrosoft Office Accessだと思います。
AccessとFileMakerの違いと言えば、以下のようなものです。
WEBでの利用 | 最大サイズ | 構築容易度 | |
FileMake | ● | 8TB | ● |
Access | ☓ | 2GB | ▲ |
(Access2010からは、ブラウザーからの閲覧・共有が可能になっているようです。)
上記の表からも分かるように、FileMakerの優位性は群を抜いています。
それでもAccessが多く使われているのは、「Microsft Officeに付いているから」
「Microsft Officeとの連携ができない」や「Macのソフト」という誤解からでは
ないかと思っています。
FileMakerは、もちろんWindows版もありますし、Excelとの連携も容易です。
Excelからのデータの取り込みも、Excelへのエクスポートもとても簡単です。
また、直接PDFファイルで出力したり、色々な形式にデータをエクスポートできます。
さらに、xDBEに対応し、既存のデータベースへのアクセスも可能になっています。
一つ、難点があるとすれば、ソフト単体の価格が高いということでしょうか。
それでも、できることをトータルで考えれば、その価格も高いものとは思えません。
私とFileMakeとの出会いは、約25年前、MacCXⅡと共にファイルメーカーⅡを
購入したところから始まります。
最初は、住所録や簡単な申告用の帳簿のために個人的に使用していました。
(はっきり言うと、そのころはその程度しか使い物にならなかった記憶があります。(笑))
Ver.3からリレーショナルデータベースとしての機能が加わり、使用範囲が劇的に
広がりました。
顧客の管理、請求書等の発行などをデータベース化し、業務にかなり活用できるまでに
なりました。
Ver.5からは、Web公開機能が付加され、インターネットを意識した仕様となってきました。
残念ながら、個人ではローカルPCで帳簿整理や営業記録にしか使っていませんでした。
現在は全国展開するディスカウントストアで以下のような様々なシステムを構築し、専用サーバーで運用しています。
・POP配信システム(XSLT & インスタントWEB)
・理論在庫検索システム(XSLT)
・自転車防犯登録検索システム(XSLT)
・修理状況検索システム(ファイルメーカーネットワーク)
・家電リサイクル券管理システム(インスタントWEB)
・お得意様カード会員購入履歴検索システム(ファイルメーカーネットワーク)
(DM送付先抽出システムを含む) XSLTはPHPに移行中です。
データバースの知識が全くなかった私がここまでのシステムを構築できるのも、
FileMakerが持つ以下のような特徴があるからなのです。
1.多少勉強すれば、素人でも簡単なデータベースを構築できる。
2.レイアウトの自由度が高く、デザイン的にも高品質な画面を構築できる。
3.高額なデータベースサーバーが必要なく、安価でデータベースを構築できる。
4.WEBとの親和性が高く、クライアントソフトなしにIEなどでデータベースにアクセスできる。
(FileMaker GoでiPhone/iPad からのアクセスも可能になりました。)
知名度が低く、一部の熱心な人々が使っているかのような印象のFileMakerですが、
その可能性は限りなく広がっていると思います。
「全ての人にデータベースを!」
それを可能にするのが、FileMakerというソフトウェアなのです。